KAAT 神奈川芸術劇場(横浜市中区山下町281)で9月10日から、演出家・俳優の長塚圭史さん率いる演劇ユニット・葛河思潮社の第4回公演「背信」が行われる。
葛河思潮社は、2009年に演出家で俳優の長塚圭史さんが、演劇のさらなる可能性を探り立ち上げたソロプロジェクト。日本の既存の戯曲や海外からの翻訳戯曲、原作小説からの戯曲化など、さまざまな素材から演劇作品を創り出している。
公演は、2005年にノーベル文学賞を受賞したイギリスの劇作家ハロルド・ピンターが1978年に発表した傑作戯曲「背信」を舞台化。ピンターは、現実認識のあり方を根源的にとらえ直した作家として高く評価されている。
同作は「時間が逆行していく」特殊な構造で3人の男女の不倫劇を描いた物語。逆行していく時間の中で不確かな現実が浮き彫りになり、画廊を営むエマ、出版社を経営するロバート、作家エージェントのジェリーの3人が織りなす会話に不穏な意味が宿っていく。
作=ハロルド・ピンター、 翻訳=喜志哲雄さん、演出=長塚圭史さん。出演=松雪泰子さん、田中哲司さん、長塚圭史さん。
葛河思潮社広報の金有那さんは「今回の公演では、静かにつややかに、記憶のあいまいさ、現実認識の不確かさを突きつける。これまでの葛河思潮社作品の常連であり、ドラマなどでの活躍も目覚ましい松雪泰子、田中哲司とともに切り拓く、葛河思潮社の新境地にご期待いただければ」と話している。
会場はKAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ。本公演チケットは、一般=6,000円、U-25=3,800円、高校生以下=2,000円。公演スケジュールは日程による。問い合わせは神奈川芸術劇場(TEL 0570-015-415:チケットかながわ)。9月15日まで。