ものづくり企業が自社の技術を活かして製作した2センチの金属製コマで勝負を行う「全日本製造業コマ大戦世界大会」に、ボリビアで開催されたコマ大戦の優勝者を招待する渡航費を集める「ボリビア・コマ基金」の募金活動が行われている。
ボリビアは、アルゼンチン、ペルー、ブラジルに挟まれた南米の山岳地帯に位置する人口986万人の国。豊かな鉱物資源に恵まれているものの、鋳造技術は日本の40年前の水準で設備も整っておらず、経済的にも中南米の最貧国の一つだという。
ボリビアでの大会は2013年10月に、現地の職業訓練校で鋳造技術を指導していた国際協力機構(JICA)メンバーの平野正さんが、コマ大戦をテレビで知り、ボリビアでも開催したいと、全日本製造業コマ大戦協会の緑川賢司会長に連絡を取り、地球の裏側でものづくりの技術を学ぶ学生が参加するコマ大会を開催したいという平野さんの思いに緑川さんが共感したことで開催に至った。
緑川さんは早速、「ボリビアの諸君、日本で待ってるぞ!」と書いたコマ対戦用の土俵を2つ送り、2013年10月28日に、ボリビアのコチャバンバ市INFOCAL職業訓練校で生徒14人が参加する「第1回コマ大戦ボリビア場所2013」が開催されることになった。
「第2回コマ大戦ボリビア場所2014」は7月2日に開催され、前回を大きく上回る31人が参加し、大いに盛り上がったという。平野さんたちは、ボリビアから日本で来年2月に開催される世界大会への参加を考えたが、費用の捻出が難しく、コマだけを送って参加することを考えていた。
しかし、7月24日に開催された「横浜売れるモノづくり研究会」セミナーの懇親会で緑川さんからこの話しを聞いた、同研究会の渡邊桃伯子さんは、ボリビアの若者に是非日本の製造業の技術を学ぶ機会を与えてあげたいと、コマ大戦世界大会への渡航費を集める「ボリビア・コマ基金」の募金活動を開始した。
平野さんは「ボリビアの若者にとって日本に来ることは大きな夢。日本で学ぶことも多いはず。職業訓練校の機械科学科長は、他の学校などにも声を掛けてボリビア国内の全国大会をしたいと話している」と語る。
日本ボリビア協会専務理事の杉浦篤さんは「JICAの長年の支援もありボリビア人の日本人に対する印象はとても良い。募金でボリビアの若者を招待できたら、さらに交流が深まるだろう」と話した。
ボリビアからの渡航費は1人約30万円。第1回大会と第2回大会の優勝者2人を含む3人の渡航費90万円を目標に募金活動を行なっている。
渡邊さんは「ボリビアの若者に横浜に来て、日本のものづくり企業を見て何かを感じ取って欲しい。そしてそれをボリビアの仲間に伝えて欲しい。そのための支援活動が広がっている。ボリビアチームがコマ大戦世界大会に参加できるよう多くの方に協力をお願いしたい」と話している。
基金の詳細は「ヨコハマNOW」ホームページで。