横浜赤レンガ倉庫1号館2階(横浜市中区新港1)で、10月15日から、「金森一咳・回顧展 虚空礼拝 ~禅・俳句・モーツアルト~」が開催されている。
同展では、2013年11月に急逝した墨彩画家・金森一咳さんのポストカードサイズの作品から2メートル近くあるものまで、約100点の作品を展示。1941年大阪生まれの金森さんは、20代半ばに友人の自死をきっかけに「自身の存在の根拠の崩壊を体験」し、40歳を過ぎた1981年ごろから昨年11月に急逝するまで、絵を描き続けた。描いた墨彩画は生涯で500点以上にも及ぶ。1989年~2001年には、東京・神楽坂で酒場「憂陀」も経営していた。
作品のほとんどは晩年、実弟の住むオーストラリア・シドニーと新潟の妻の実家の「ギャラリー寒山」に展示されており、今回の展示は実弟の金森克維さんが代表を務めるK2インターナショナルグループのK2ドリームプロジェクト(磯子区東町9)が主催。不登校・ひきこもり・ニート・家庭内暴力など、社会に馴染みにくい若者の自立を支援する同グループの認定NPO法人「コロンブスアカデミー」の題字なども、一咳さんが手がけている。
金森克維さんは「実は今回いろんな仕掛けがある。 作家も作風も実に面白いが、私たちが取り組む今までにない表現としてのこの一咳回顧展を、来場者にはぜひ体感してもらいたい」と話している。
展示は19日まで。開催時間は10時~20時。入場無料。