横浜市内で8月1日から開催されていた現代アートの国際展「ヨコハマトリエンナーレ2014」が11月3日、約3カ月の会期を終えて閉幕した。
2001年に第1回展を開催、今回で第5回展を迎える同展。今年は横浜美術館(横浜市西区みなとみらい3)と新港ピア(新港ふ頭展示施設、中区新港2)を主会場に、19の国と地域から65組(団体)のアーティストの作品を展示した。開場日数は計89日で、総来場者数はのべ214,901人となった(うち中学生以下の来場者数26,381人、外国人来場者数4,501人)。前回(2011年)の第4回展の総入場者数は約33万人。
日中韓3カ国で今年から新たにスタートした「東アジア文化都市」の特別事業としても位置づけられ、アーティスティック・ディレクターには美術家の森村泰昌さんが就任。「華氏451の芸術:世界の中心には忘却の海がある」というタイトルのもと、全11の挿話で構成された。
会期中は参加作家による「アーティスト・プロジェクト」として、レクチャーやトークイベント、映像上映などさまざまなプログラムを開催。マイケル・ランディさんが出展する美術のためのゴミ箱《アート・ビン》には、森村さんを始め、日比野克彦さん、椿昇さん、名和晃平さん、松井冬子さん、木梨憲武さんら多くの著名アーティストも過去作品を投げ込んだ。最終日には、フィナーレパフォーマンス「消滅のためのラストショー『Moe Nai Ko To Baを燃やす』」が行われた。
今回は「まちにひろがるトリエンナーレ」を掲げ、「創造界隈(かいわい)拠点連携プログラム」として、会期中にBankART Studio NYK、初黄・日ノ出町地区、象の鼻テラス、急な坂スタジオ、ヨコハマ創造都市センター(YCC)などで多様なアートプログラムが開催された。また、「応援企画」として市民ギャラリーなどの文化芸術拠点やアートNPO団体などでもアートイベントが行われたほか、タイアップ企画として、観光施設でのチケットの提示によるサービスの提供や、レストランのタイアップメニュー、ホテルの宿泊プランなどの連携が行われた。
横浜トリエンナーレ組織委員会委員長の逢坂恵理子さんは「各地で現代アートの国際展が数多く開催された本年、私たちは横浜トリエンナーレならではのオリジナリティを重視した。森村泰昌アーティスティック・ディレクターが、真摯(しんし)なメッセージを伝える展覧会を構成し、その内容は国内外の専門家から高く評価された。また、現代美術の魅力を広く伝えるために、中・高校生や市民サポーターによるガイドも新たに編成した。多くの市民の皆様に本トリエンナーレを支えていただいたことは大きな喜び。特に学校連携の成果として、学校団体の見学が増え、横浜トリエンナーレが次世代へも広がりつつあると実感している」とコメントした。