黄金町の高架下スタジオSite-Aギャラリー(横浜市中区黄金町1)で現在、画家・吉本伊織さんの個展「涙をたたえて微笑せよ」が開催されている。
2009年から本格的に作家活動を開始し、2010年から横浜を拠点に活動してきた吉本さんの集大成となる同展。タイトルは、島田清次郎の小説「地上」の一節から取ったという。約6年間のあいだに滞在制作のために訪れた熊本県天草市や宮城県石巻市、出身地の富山県や島根県などの風景を描いた作品計16点を展示・販売する。
画材には、アクリルやボンドのほか、墨汁や黒鉛、紙粉、天草陶器粉など日本画的なものも使用。草木や電柱、海など郷愁をさそう風景を、光と影の対比や色使いで表現している。
会期中は、会場の向かいの初音スタジオで公開制作を実施。また、16日には作家の村田峰紀さんを迎えた対談「描くということ」(18時~19時)、24日にはキュレーターの水谷朋代さんによるギャラリートーク(17時~)も開催する。
開館時間は11時~19時。入場無料。24日まで(18日休館)。
吉本さんは、1978年富山県生まれ。劇団「わらび座」や「劇団四季」などで舞台美術の製作を手がけ、「自在関内オフィス」「nitehi works」「Tur aus Holz von neben Strand」などの横浜のアートスペースで展示を行ってきた。2010年には第46回神奈川県美術展で「県立近代美術館賞」(平面・立体部門)を受賞。現在「CHAP(長者町アートプラネット)」を拠点に制作し、天草市に移転を予定している。