関内で10月9日、「デモ」の現場の映像と、関係者へのインタビューをもとに構成されたドキュメンタリー映画「首相官邸の前で」上映と監督を招いたトークイベントが開催される。
「首相官邸の前で」は、慶應義塾大学総合政策学部教授で社会学者の小熊英二さんによる初の監督作品。小倉さんは、福島原発事故の後に、脱原発運動にかかわってきた。映画は、2011年の東日本大震災の後に活発化した、原発の「再稼働反対」を訴えるデモなどの動きを、インターネット動画や活動を行う市民らへのインタビューなどで構成されている。上映後は、小熊英二監督とのトークシェアを実施。いま日本で起こっていることについての情報を共有し、語り合う。
小熊さんは、出版社勤務を経て、慶應義塾大学総合政策学部教授。福島原発事故後、積極的に脱原発運動にかかわり、メディア上での発言も多い。2012年の著作「社会を変えるには」で新書大賞を受賞。映像作品の監督は今回が初めてだが、脱原発運動のなかで得ていた信用のために、多くの映像提供などの協力を得ることができたという。
主催する横浜ソーシャルシネマクラブ代表の三宅久美子さんは「ここ数年、社会や政治の動きが加速化している。何も知らないまま、次々と物事が決まり、既成事実化していくことに疑問を感じ、ここ数年は勉強会などに参加して学ぶなど、受け身の立場が多かったが、自分でもできることをしなければならないと思うようになり、イベントを企画した。映画は笑いあり、涙あり、怒りあり。それまでの生活から一転してデモに参加するに至った人々やアクティビスト、そして管直人元首相など、それぞれの立場で語られる悲喜こもごもを留めた同時代の記録」と話す。
会場はシェアスペース「さくらWORKS<関内>」(横浜市中区相生町3)チケットは前売券/当日券=1,000円、問い合わせはYokohama social cinema club(横浜ソーシャルシネマクラブ、TEL 070-6569-4818)まで。