現存する日本最古のジャズ喫茶「ちぐさ」(横浜市中区野毛町2)2階が3月、ギャラリーとしてオープンした。
ちぐさは1933年、故・吉田衛さんが野毛町1丁目に開業した日本におけるジャズ喫茶の草分け。若き日のピアニストの穐吉敏子さん、サックスの渡辺貞夫さんなど、数々の有名ジャズミュージシャンが訪れ、吉田さんに支援されて育った。
現在の店舗は、2007年1月に前の店舗が閉店後、元常連やジャズ関係者、地元飲食店らが協力して2012年に移転・再開。2階にはオリジナルの店舗を約7割の大きさにリサイズし、吉田さんやちぐさにまつわる写真、レコード、資料などを展示した「吉田衛記念館」を設置していたが、最近は希望する人に案内するのみだった。
吉田衛記念館と併設した約15平方メートルのギャラリースペースでは今後、吉田さんの著書「横浜ジャズ物語―『ちぐさ』の50年」(1985年、神奈川新聞社)に沿った企画展示や、全国のジャズ喫茶のマッチコレクション展、ジャケットデザイン展などを開催予定。展示やワークショップ、会議用に貸し出しも行う。
ギャラリーを運営する新村繭子さんは「ジャズ喫茶というと敷居が高くても、ギャラリーを目当てに訪れてくれる方もいた。貴重な資料も数多くあるので、もっと多くの人に一階と二階を連動してお見せする機会を提供したい」と話す。
喫茶の営業時間は12時~22時。月曜定休。ギャラリーの貸出は10時~22時まで。料金は1時間1,000円~。
ちぐさが母体となって設立したジャズ専門レーベル「CHIGUSA Records」は4月8日、同レーベル第3弾となるフルート奏者・小川恵理紗さんの「ちぐさ賞」受賞記念アルバム「ERiSA/SKY IS THE LIMIT」をLP盤・CD盤で発売。4月9日には横浜にぎわい座「のげシャーレ」で発売記念ライブを実施する。開演は18時、チケットは2,500円。