さくらWORKS<関内>(横浜市中区相生町3)で4月21日、シリアの民主化運動を描いたドキュメンタリー映画「それでも僕は帰る~シリア 若者たちが求め続けたふさと~」の上映会が開催される。
映画はシリア人の映画監督タラール・デルキさんが、2011年の夏から反体制派の拠点の一つだったホムス地区で活動をはじめた二人の青年を追いかけた作品。民主化運動のリーダーで、サッカーのユースシリア代表ゴールキーパーだったアブドゥル・バセット・アルサルートさんと、デモの映像をインターネットで公開することで民主化運動を広げようとしたカメラマンのオサマ・アル・ホムシさんの活動に焦点を当てながら、政府軍の砲撃により廃墟と化していくホムスの街を映す。
非暴力の抵抗運動を先導し、抵抗運動の波がシリア全土に広がっていった二人は、2012年2月の政府軍の攻撃で170人のホムス市民が殺されたことをきっかけに、武器を取り、武装闘争へと転換していく。
当日は、日本国政府が行うODA(政府開発援助)の一環として、国際協力機構(JICA)が実施する海外ボランティア派遣制度の「青年海外協力隊」の隊員として、2008年からシリアで活動した中野貴行さんをゲストスピーカーに迎え、多角的な視点からシリアについて考えるトークセッションも行われる。中野さんは2015年に、シリア難民の住むヨルダン、トルコ、イラク、ドイツ、スウェーデンなどを訪問し、シリア難民の声を聞いてきた。
上映会を企画した横浜国立大学4年の細川高頌さんは「戦場を描いたインパクトの強い映画を観て、自分と同年代の若者が武器を取り、武装闘争へと進んでいく姿に衝撃を受けた。地理的に遠いシリアという国にもシリア人一人ひとりの生活があるということを知るきっかけになればと思う。中野さんには、シリアの日常や国外に避難したシリア難民の現状をお話し頂く。多様な視点からシリアについて考えていきたい」と話す。
上映会は、9月22日にJICA横浜(中区新港2)で開催される映像イベント「国際平和映像祭」の関連企画として開催される。同映像祭は、2011年から毎年9月21日の国民が定めた平和の日(=ピースデーに合わせて開催される平和をテーマにした映像祭。世界中の若者を対象に、一般から募集した5分以内の映像で競い合う。2016年度のエントリー期間は4月21日から7月21日までで、現在作品を募集している。
上映会は19時から。参加日は大人1,000円、学生500円。参加申し込みはさくらWORKS<関内>facebookページで。