横浜能楽堂外ノ芸術祭2016「赤レンガ薪能」が9月24日、横浜赤レンガ倉庫イベント広場の特設舞台で上演される。
今回は特別に舞台美術の鏡板(能舞台奥にある松が描かれた板)を横浜港の夜景が見えやすいよう透明の板で製作し使用する。横浜赤レンガ倉庫での薪能の開催は初めて。
能は、「平家物語」を基に作られ、都落ちした義経一行と平家一門の亡霊との戦いが見所の「船弁慶」。室町時代からの歴史を誇る観世流の名門・梅若六郎家五十五世梅若六郎の孫である実力派・梅若紀彰が舞う。
狂言は、人間と蚊が相撲を取るという荒唐無稽な設定が面白い「蚊相撲」を上演。「武家式楽」の伝統を受け継ぐ山本東次郎家一門で、注目の若手・山本則重らが演じる。
照明デザインは石井リーサ明理さん、「鏡板」揮毫は現代美術家の山口晃さん。公演に先立ち、クイーンズスクエア横浜では8月26日に「鏡板」の公開制作が行われ、山口さんが独特の筆づかいで描く老松に多くの人々が足を止めて見入っていた。
横浜能楽堂の秦野五花さんは「観世流の実力派・梅若紀彰が舞う能『船弁慶』の背景には、いま注目の画家・山口晃による鏡板が飾られ、その向こうにベイブリッジや横浜港を借景としてお楽しみいただける。さらには、国際的に活躍する照明デザイナーの石井リーサ明理が空間全体を照明で包み込む。赤レンガ倉庫ならではの空間を生かした薪能を堪能いただけたら」と話す。
18時開演、20時終演予定。チケットなど詳細は横浜能楽堂(TEL 045-263-3055)から。