横浜トリエンナーレ2005が9月28日に開幕。昨年末に磯崎新氏が総合ディレクターを退陣、川俣正氏が後任に就いてからわずか9ヶ月という短い準備期間で開幕した。テーマは「アートサーカス -日常からの跳躍-」。川俣氏が掲げた3つのビジョン― (1)展覧会は、運動態である - ワーク・イン・プログレス - (2)場にかかわる - サイトスペシフィック・インターラクション - (3)人とかかわる -コラボレイティド・ワーク- ―のもと、参加型で楽しめる作品が目立った。特に人気を博したのは、KOSUGE 1-16+アトリエ・ワン+ヨココムによる巨大なサッカーボードゲーム。棒を動かして人間の1/2スケールの人形を操作してゲームを行なうため、まるで本物のサッカーをしているような連帯感と運動量が必要とされるというユニークな作品だ。また、タイのアーティストグループ「キュレーターマン」による「SUPER(M)ART@YOKOHAMA」のポップな空間も印象的だった。毎週末には観客参加のゲーム大会が展示空間のなかで開催され、川俣氏とキュレーターの芹沢氏、天野氏、山野氏の4名によるスペシャルマッチも行われた。
期間中、毎日来場者の似顔絵を書いた黒田晃弘氏や、ミシンでぬいぐるみ制作を続けた安部泰輔氏など、国際展では珍しく期間中も滞在する作家が多く、作家と観客が触れ合う機会が多かったのも大きな特徴だ。また、会場外では、桃谷恵理子氏がアーティストをトリエンナーレのメイン会場近くに借りた自宅アパートに滞在させ、そこで作品展を開く「ホームステイ・アート・プロジェクト」を展開。中華街には西野達郎氏が山下町公園にある東屋(あずまや)「會芳亭(かいほうてい)」を建築資材で囲ってホテルにした宿泊体験型作品「ヴィラ會芳亭」を制作。ユニークな宿泊施設として営業し、最後には宿泊権をめぐってジャンケン大会が行われるほどの盛況ぶりを見せた。また、BankART1929はトリエンナーレの会期に合わせて、展覧会場に宿泊できる「BankART Life」展を開催。ヨコハマのアートシーンに「参加」「体験」「滞在」「宿泊」といったキーワードが踊った。
運動態として変化を続ける展覧会の名のとおり、会期が進むにつれて観客動員数は増え、最終日にはカップルから家族連れまで数多くの来場者で会場は埋め尽くされた。総入場者数は189,600人に上った。また、市民が参加した「横浜トリエンナーレ作戦会議」をきっかけに、アートと街がもつ資源や人材を結び付け街を活性化していく「シティアート」を提唱する「横浜シティアートネットワーク(YCAN)」が設立。ウェブサイトを立ち上げアートに関する情報発信をするとともに、トリエンナーレをはじめ、市内のアートイベントを支援し街の活性化に大きな役割を果たした。
運動態として変化を続ける現代美術展。「横浜トリエンナーレ2005」が目指すもの5月5日に、1973年の開業以来32年にわたり営業を続けてきた百貨店「三越横浜店」が閉店。また相模鉄道は1971年オープンの「相鉄ムービル」内の映画館5館を来年5月末に閉鎖すると発表。いずれも営業損益赤字の回復の見込みがないことから閉鎖が決まった。1日の乗降客数は約186万人(2004年度)と、全国5位の巨大ターミナル駅であるにもかかわらず、大型商業施設間の生き残りは激化している。11月18日にはヨドバシカメラが西口3店舗を統合し、三越横浜店跡地にヨドバシカメラ「マルチメディア横浜」をオープン。広い店舗面積に多様な品揃え、レストラン街やショッピングフロアも入り、盛況を見せている。
一方、東口ではそごう横浜店が6月28日、10階のレストランフロアを全面改装し「ダイニングパーク横浜」として再オープンした。「海と緑の食祭空間」をテーマにした1,475坪の広大なフロアーに32店(総座席数約1,900席)が出店。百貨店のレストラン街としては国内最大規で、多種多様な飲食店が23時と夜遅くまで営業しており、ヨコハマでの食事に新たな選択肢が加わった。また、6月25日にはMM地区に温泉をはじめとした都市型複合レジャー施設「横浜みなとみらい万葉倶楽部」がオープン。屋上の展望足湯庭園はコスモワールドの観覧車コスモクロック21を目前に臨む絶好のロケーションで、ヨコハマの新たなデートスポットとなっている。
MM地区に出現した複合レジャー施設「横浜みなとみらい万葉倶楽部」の全貌また、大型商業施設やチェーン店が集積する西口・東口から少し離れた周縁部「裏横浜」「奥横浜」にカフェダイニングが増え始めている。「裏横浜」発展の土台をつくったのは、1999年にオープンしたイタリアン中心のダイニングバー「ビストロ・フレッシュ」オーナーの入交氏。駅ビルが閉まる深夜帯の客層の心をつかみ繁盛すると、裏横浜に2号店、3号店を次々オープン。これに呼応するように個人オーナーによるカフェダイニングの路面店が「裏横浜」「奥横浜」へと広がっていった。平沼、岡野、浅間下などの住宅街に隣接した立地が多く、各店舗に共通するのは、東京にはない“ゆったり感”。“横浜イタリアン”とも呼ぶべき新しい流れが生まれ始めている。
オシャレな大人が集う「裏横浜」と「奥横浜」。カフェ&ダイニングが続々オープン山谷(東京・台東区)、釜ヶ崎(大阪市・西成区)と並んで日本の「三大ドヤ街」と称される寿地区。日雇い労働者向けの簡易宿泊施設が居並ぶこの寿地区の再生を目指すプロジェクト「横浜ホステルビレッジ」が今年の4月にスタートした。寿地区における簡易宿泊所の数は110軒、部屋数は7733室。そのうちの約20%に当たる約1600室が空き室状態にある。プロジェクトでは寿の街全体をホテルに見立て、空室の簡易宿泊所をゲストハウスとしてツーリストを誘致するというものだ。
ウェブによる情報発信やプロモーションビデオなどでの周知・宣伝活動が奏功し、外国人パックパッカー、女性のツーリスト、横浜トリエンナーレで来日したアーティスト、さらには神奈川県下で行われるバレーボールの大会に参加するために宿泊した女子高生ご一行など、これまで寿の街を訪れることのなかった人たちが宿泊し、そこに住む人々との交流が生まれている。プロジェクトを推進しているのは株式会社Funnybee(ファニービー)。寿町における路上生活者やその予備軍の自立を支援する活動を行っているNPO法人「さなぎ達」を資金的な側面から支援すべく発足した。
高齢者が多くを占める寿にさまざまな年代、人種の人たちが行き交うようになれば、ツーリスト向けの新たな雇用を創出することができ、周辺の地域と共存していくことができるのではないか――寿地区全体を再生していくという大きな狙いがそこにはある。この寿における新しい動きはテレビのドキュメント番組をはじめ多くのメディアに取り上げられ、その注目度は急上昇中だ。
寿地区が「ドヤの街」から「ヤドの街」へ。地域再生を目指す「横浜ホステルビレッジ」神奈川新聞が今年2月にWebサイトを全面リニューアル、ブログを取り入れたコミュニティサイト「カナロコ」として生まれ変わった。日本の新聞社としては初の試みで、その動向は各方面から大きな注目を集めている。「新聞社らしさ」を払拭した柔らかいデザインや、ニュースにコメントやトラックバックがつけられるなど、マスコミのあり方に一石を投じたことに対して好意的な意見が多数寄せられた。また、市民がエリアライターとなり、みなとみらい線沿線のクチコミ情報を発信する「MMブログ」など、コミュニティを醸成するコンテンツが生まれている。
ブログ導入で参加型メディアへ。神奈川新聞「カナロコ」の挑戦今年、ポータブルMP3プレイヤー「iPod」やポッドキャスティング機能がついた「iTunes」のヒットによって「ポッドキャスティング」という言葉が流行した。音声コンテンツを気軽に聞くための道具が爆発的に売れ、ネットラジオは新たなメディアとして注目を集めている。そこで今年6月に日本でいち早くネットラジオ局を開設したのが、横浜ラジオマガジン「ポートサイド・ステーション」。その番組コンテンツは、NPOや市民団体がつくる広報番組、ミュージシャンが楽曲をPRする番組、ゲストスピーカーを招くトークショー番組、語学が学べる教養番組などで、ロングインタビューなど中身の濃い番組も多い。そこには、多くの人に聞いてもらいたいという従来のマスメディア的な考え方を捨て、顧客ターゲットを絞り、リスナーに対する明快なメッセージを持った番組がコミュニティを生み出し、力を持つようになるという展望がある。
ポッドキャストはビジネスをどう変える?「ポートサイド・ステーション」の可能性今年10月、野毛の沖縄居酒屋「波之上」から風変わりな雑誌が創刊された。その名も「NGT」。この「NGT」には何と記事が全く掲載されておらず、全て野毛界隈の風景を撮影した写真中心のビジュアルのみでできている。単語帳のようにリングで綴じているため「表紙」もなく、立ち読みができないようパッケージングされていて、定価は2,500円と何もかもが「規格外」の雑誌だ。安易にひとつにまとまらずに、街に集う人々が、自分なりのやり方でやりたいことをやればいい。「NGT」はそんな「野毛スタイル」を誌面を通じて訴えている。
野毛の「猥雑パワー」が産み出した規格外の新雑誌「NGT」のメッセージ地域型のフリーペーパーも今年は次々と創刊された。横浜トリエンナーレを中心としたアート情報を発信する「YOKOHAMA City Art News」、街とアートイベントの関係を厚く特集する「petit Deli.(プッチデリ)」、ベイエリアのJAZZ・クラブミュージック・デジタルシーンといったカルチャーを横浜市民の目線と語り口で幅広く紹介する「Yokohama Bay City News “WELCOME”」、横浜の達人がナビゲートするデートマガジン「HAMA MAIL」、東京版・横浜版を同時に発行するアートガールズマガジン「Spin」など。これは、積極的に情報発信したいという市民の増加と、広告がマスメディアから地域密着媒体に少しずつシフトしてきていることの表れかもしれない。
独立系地域密着型メディアが元気!横浜・フリーペーパー最新事情1月15日、歴史的建造物を活用した文化芸術創造の実験プログラム「BankART1929」の新施設「BankART Studio NYK」が日本郵船倉庫にオープンした。BankART1929馬車道が担っていたギャラリー、スタジオ、カフェ・パブなどの事業を継続。海に面する良好なロケーションや建物の条件から、アーティストが2ヶ月間入居して創作活動を行うことができるスタジオ機能を特に充実させた。アーティストが滞在して創作活動を行うことで、普段接する機会の少ないアーティストたちとアートに関心を持つ市民との交流の機会が生まれている。BankART主催事業の「食と現代美術」展や「BankART LIfe」展をはじめ、様々な展覧会やイベントが開催された。
アーティストが集うニュースポット誕生。「BankART Studio NYK」の全貌6月30日、北仲地区にアーティストや音楽家、建築家ら約50組が入居する新拠点「北仲BRICK&北仲WHITE」がオープンした。昨年までオフィスとして使用されていた旧帝蚕倉庫本社ビルと旧帝蚕ビルディングの2棟の建物を創作活動の拠点として、地権者の森ビルが安価に提供し、2006年10月までの期間限定でアーティストやクリエーターらが入居し、個々の活動を展開するというものだ。北仲や馬車道は横浜市が創造界隈「クリエイティブ・コア」と位置づけ、アートスポットを集積させようとしている場所だけに、民間事業者によるクリエイティブスポットの提供は市が進めるクリエイティブ・シティ構想の追い風となっていくだろう。11月には入居グループ39組がオフィス・アトリエを1ヶ月間にわたり一般公開する「北仲オープン」を実施。集中オープンの日には数多くの市民がアトリエを訪れた。
加速する横浜のクリエイティブ・コア「北仲BRICK・北仲WHITE」始動今年は横浜の映画シーンにも大きな変化があった。昨年の中央興業の廃業に伴い、「ヨコハマ・シネマ・ソサエティ」と「横浜日劇」は廃館し、それ以外の「シネマ・ジャック」、「シネマ・ベティ」、「関内MGA(旧関内アカデミー)」、「シブヤ・シネマ・ソサエティ」は経営譲渡が行われた。今年8月にはライブドアグループの映画配信会社「ブロードバンドピクチャーズ」が、ジャック&ベティを500円で映画が鑑賞できる「ファイブコインズ・シネマ」として再開、デジタル上映機材を投入し、デジタル作品の上映を行っている。
5月22日、元中央興業の福寿祈久雄氏の監修のもと、自主制作映画を上映する「横浜自由映画劇場」がスタートした。上映作品は全国から公募し、出品者から1作品あたり1,000円の運営費に加え、1分100円の参加費を集めて上映するもので、場所は野毛の「横浜にぎわい座」地下の「のげジャーレ」。福寿さん自らプロデューサー的な役割を果たし、プロの映画人を目指す若者を育てる「シネマ・ダッシュ・チーム・ヨコハマ」も5年前に結成され活動を続けている。シネコンの台頭で独立系の映画館が次々と閉館するなか、映画文化を守り、インディペンデントから次世代の映画人を育んでいくための動きが現れ始めている。
横浜から次世代映画人の輩出目指す。映画文化を育む独立興業師の挑戦11月11日から13日にかけては、横濱学生映画祭が開催された。今年は北京電影学院との共催となり、アフガニスタン・カブール大学の作品も上映された。映画祭の期間中は北京電影学院の教授陣や学生が来日し、国の壁を越えた合作の実現に向け、日本の映像教育機関と親交を深めた。日中映像交流シンポジウム2005」では、日中両国の映画人が共同制作・共同配信などの連携に向けた意見交換を行った。また、同映画祭は単なる映画上映のお祭りではなく、通常とは逆のステップで映画の制作・公開を行おうとする「逆ウィンドウ戦略」のためのプラットフォームづくりを目標としている。いわば、インディーズ映画にスポットを当て、全国公開への道をつくることで若手映画人の育成を行おうというものだ。シネコンの台頭で映画の産業構造に変化が訪れるなか、インディーズ・シーンも新たな道を模索している。
「逆ウィンドウ戦略」は映画産業を変える?日中韓、産官学民を結ぶ横濱学生映画祭7月からのテストランを終え、9月から日本大通りで、全国に先がけて道路空間を活用したオープンカフェの本格的な社会実験がスタート。日本大通り沿道店舗の「ランチャン アヴェニュー」、「アルテリーベ」、「gooz」、旧関東財務局ビルに新規出店したアートカフェ「graf media gm:YOKOHAMA」、沿道店舗のギャラリー「ギャルリーパリ」、「日本新聞博物館」のほか、外来の飲食店2店舗や花屋などが出店した。オープンイベントでは音楽の生演奏や模擬結婚式、アート・パフォーマンスなど、カフェだけでなく賑わいを創出するための様々な取り組みが行われた。実行委員会には行政組織は参加せず、民間事業者から成る実行委員会が自立的に事業を行っている。目指しているのは、ローマやパリにあるような、街の賑わいと文化を支える、本格的で格調高いオープンカフェだ。オープンカフェは横浜の新しい団欒場所として好評を得、継続して実施していくこととなった。
西洋文化の街、横浜の新たな顔となるか?日本大通りオープンカフェ本格実験開始11月、市内の公共空間でフリーライブを行う新進ミュージシャン活動支援事業「横浜音楽空間」が開催された。実施場所は、みなとみらいとイセザキモール。これは日時限定で市内各地の複数会場で同時開催する観覧無料のコンサートイベントで、人通りの多いオープンスペースをミュージシャンに提供し、街全体の活性化に寄与することが目的だ。NPO法人ARCSHIP、財団法人横浜市芸術文化振興財団、横浜市が実行委員会で、行政にとってはストリート・ミュージシャンの規制から支援へと姿勢の転換が行われた事業でもある。プロ・アマチュアを問わず横浜のミュージシャンを育てていくという、横浜の音楽文化の底上げ効果が期待されている。
インディーズ・シーンは街の文化指標?ストリートが育む“ヨコハマ系”音楽事情経済産業省が進めている産業クラスター計画の横浜での展開「横浜知財ITクラスター形成・支援プロジェクト」が7月からスタートした。首都圏エリアの管轄は関東経済産業局の首都圏情報ベンチャーフォーラムで、横浜での実施主体は財団法人横浜産業振興公社。プロジェクトでは民間から4人のクラスターマネージャーを立て、3つのテーマで推進している。3つのテーマとは、(1)技術力を持ったコンテンツクリエイターとの新技術商品化研究会 (2)先駆的IT技術・サービスの実用実験基盤の整備による大手企業と研究機関、ITベンチャー、ユーザーとのアライアンスの形成 (3)知財立脚型ものづくりビジネスモデルの創出。「知財・IT・ものづくり」といった広義でのクリエイティブ産業の集積と、企業間連携や新商品、新技術、新ビジネスが自立的・継続的に生まれるような環境や仕組みの整備に取り組んでいる。
横浜知財ITクラスター形成・支援プロジェクト横浜市は9月、都心部活性化及び創造的産業の振興を図るため、関内・関外地区の既存の民間建築物に進出し新たに事業所等を設置するクリエイターに対し、初期費用の一部を助成する制度を設けた。また同時に映像コンテンツ(アニメーション、CG等)制作企業・教育機関に、事業所等を立地する際に必要となる設備工事費・改装工事費の一部(最大5,000万円)を助成する制度を設け、申請受付を開始した。クリエイティブ産業従事者の横浜進出を支援するこの助成制度によって、よりいっそうの集積が図られることだろう。
横浜市、クリエイター・芸術家・アートNPO誘致の助成 横浜市、映像系企業・学校誘致で最大5000万円助成11月には横浜市経済局と民間の企業・団体でつくる「Wi-Y proj.(わいわいプロジェクト)」が始動、ワイヤレスで高速、大容量のインターネット接続が無料で可能となる公衆無線LANサービスを横浜トリエンナーレ2005会場で開始した。他にもトリエンナーレ・ステーション、BankART1929 Yokohama、BankART Studio NYK、北仲WHITEでも同様のサービスを実施している。クリエイティブスポットで無線LANが使えることで、ビジネスユーザーによる新ワークスタイルの発信、新コンテンツビジネスの創出、コンテンツ事業者の市内への集積促進、市内通信系事業者・コンテンツ事業者の事業機会の拡大などの効果を見込んでいる。
横浜トリエンナーレ会場で公衆無線LANの実証実験開始4月には横浜市が誘致した東京芸術大学の独立型大学院「映像研究科」が旧富士銀行に開校。映画監督の北野武氏や黒沢清氏らが映画専攻専任教員となり話題となった。また、12月には都市の文化戦略の国際的な権威、チャールズ・ランドリー氏が来日し、横浜で講演会を行った。「クリエイティブ・シティ」というコンセプトを提唱しているランドリー氏は、創造的な風土や環境、空間などを含んだ場(クリエイティブ・ミリュー)を数多く創出することが都市の発展には不可欠であると語った。
以上、ヨコハマ経済新聞的な目線でふりかえった「ヨコハマ10大ニュース」。今年のヨコハマは現代アートの国際展「横浜トリエンナーレ」の開催もあり、アートが活性化した1年だった。また、BankART Studio NYKや北仲BRICK&北仲WHITEのオープン、日本大通りオープンカフェや公共空間でのフリーライブ、クリエイティブスポットで公衆無線LAN開通など、街中の芸術・文化環境と制度の整備が進んだ一年と言えそうだ。このヨコハマのクリエイティブ・ミリューからどのような成果を生み出していくのか、2006年はそこに注目していきたい。