提供:油そば専門店ぶらぶら横浜本店 制作:ヨコハマ経済新聞
「油そば専門店ぶらぶら」(横浜市西区南幸2)が10月15日、オープン10周年を迎えた。昨年3月には横浜店をリニューアル、店名を横浜店から「横浜本店」に変え、油そばのロゴには「横浜」の文字が加わった。
看板には、横浜「油そば」のロゴ
同店を運営する高関食品社長の関谷英展さんは横浜育ちで西区在住、「ずっと地元横浜でやりたいという夢を持っていた」と話す。
「横浜」油そばのロゴ
1号店は実は横浜ではなく、2010年11月に東京・赤坂に出店した。2012年10月15日に横浜店を2号店としてオープン。
リニューアル前の看板 立地はラーメン激戦区の岡野交差点すぐ
中学時代から横浜で育ち「地元横浜でやりたい」という夢は当初から持っていたという同店代表の関谷英展さん(47歳)。「一度食べたら忘れられない」と油そばの味には絶対の自信があったが、飲食関係者から「まず東京で実績、東京でやってから横浜」とアドバイスを受けた。
「結果的に正解だったと思います」と振り返る。オフィス街にある赤坂の1号店はコロナ禍で畳むことになってしまったが、横浜店はオープン7年目で過去最高売り上げ1,100万円を達成、本店と呼ぶにふさわしい店に育った。
横浜本店リニューアルオーブン時の行列 普段は並ばずに入れる日も
関谷さんは高校卒業後、横浜でアメリカンスタイルカウンターバーに勤務。当時は「家系(いえけい)ラーメン」が大ブーム、多くのラーメン店で、昼も夜も行列ができていた。
その後、専門学校に通いながら、割烹店でアルバイト。割烹店の大将がある日、ラーメン店の展開を考え「作ってみた、食べてみろ」と関谷さんに油そばを差し出した。これが「油そば」との最初の出会いだった。
副社長を務める妻の愛さんとの出会いもこの頃
油や旨味、だし成分、麺の固さやコシ、あらゆる部分で「過剰」すぎず、「シンプルでいつまでも飽きない味」、「どこか懐かしく安心できる味」の油そば。「油」の言葉からイメージする「こってり」とは一線を画す料理だった。
そこから、1人の「油そばファン」として10年以上色々な店で油そばを食べ歩き、結局「食べているだけでは飽き足らなくなってしまった」という関谷さん。
「本当に美味しい油そばを世間に広めたい!」ただその思いで「油そば専門店ぶらぶら」を始めた。
「ぶらぶら」の「全部盛り油そば」(1150円)
「ぶらぶら」の油そばは、最高級の鰹本枯れ節をふんだんに使った風味豊かな秘伝のかえしと、数種類の高級油をブレンドした特製油に、昆布を隠し味に低温熟成させた特製中華麺をあわせた味。特製麺は、50年以上の歴史がある老舗製麺所と共同開発した。茹で立ての中華麺にタレと油を絡めて食べる。
「美味しいタレ、美味しい麺、美味しい油、これを単独で作るのは簡単なんです。しかしこれらが3つ合わさった際にちょうど良い塩梅、バランスになるように作るのは本当に苦労しました」と関谷さん。麺、タレ、油が三位一体となるべく、「究極の黄金比」を念頭に研究を続けた。
たっぷりの具の下には、自家製のタレが絡んだ麺
「油そば」というネーミングからか「脂っこい」「ジャンク」「体に悪そう」などと思われることもあるというが、「ぶらぶら」は油そばを、子どもでも高齢でも安心して食べられるようなやさしい味と品質に仕上げた。カロリーはラーメンの約三分の一、塩分は約半分。
老若男女に親しまれる油そばに
油にもこだわり、胃もたれしないよう、天ぷらや割烹で使う高級な油を使っている。「原価は高いですよ」と明かす関谷さん。安い物を試したこともあるが「ダメだな、譲れない、やっぱり違うな」と感じた。「油がいいとおいしいんですよ。この原価は仕方がない」と腹をくくった。
油にこだわった 油そば(740円)
現在は東京に6店、神奈川に6店のほか、名古屋と四日市に店舗を構える。
「麺を茹でて、その間にタレと油を入れて出す、簡単なんです。だけど店舗ごとに味の違いが出てしまった時期がありました」と関谷さんは振り返る。
「横浜店がうまいとか、新宿店の方がうまいとか、差が出てしまっていました。タレの煮込み方ひとつでも味が変わる。麺の保存状態や、食材の保管の仕方、素材の扱いをマニュアル化するのに苦労しました」という。努力の甲斐あって、味のブレがなくなってきた。
〆はどんぶりに無料の鶏スープを足して、最後の一滴までタレの味わいを楽しめる
老若男女すべての人が食べられるようにと仕立てた油そば。店内は一人客から団体客まで対応できるよう、1階にカウンターが10席、2階にはテーブル席とカウンター席を合わせて29席ある。
量もそれぞれの来店客が自分好みに決められるようにと、油そばは、普通盛り(150グラム)、大盛り(225グラム)、特盛り(300グラム)まで同じ料金。
LINE友達になるとトッピングのサービスも ネギをトッピングした「カレー油そば」
「原価的にはキツいんだけど、学生でも入れるよう、700円くらいでおなかいっぱいになれるようにしました。高校生がみんなで入ってきて、楽しそうに特盛りを食べていたり。その笑顔を見ているとやめられなくなっちゃう」と関谷さんも笑う。
祭りをコンセプトにした店内(写真は藤沢店)
広々とした横浜本店2階のテーブル席
実は横浜本店は5階建てのビルを一棟借りしており、1・2階の店舗の上には、3階に物流・配送の拠点、4階では横浜本店の仕込みと商品開発スペース、5階に事務所がある。かつて系列店が多くない頃は、地下で全店分のタレも作っていた。
一棟まるごと「油そば」の高関食品が入居するビル
「油そば専門店ぶらぶら」の店内にはちょうちんが飾られ、BGMは祭りばやし、完食するとどんぶりの底にはおみくじが現れる。
ワクワクさせるような日本の祭りをイメージした店内とBGM
どんぶりの底におみくじ
店名の「ぶらぶら」は「油そば」の「ぶら」と、「気軽に毎日でも『ぶら』っと行きたくなる店に」という思いとを掛けた。ぶらり、縁日を散歩するような気分で、立ち寄ってみるのもいいかもしれない。
関谷さんをイメージしたマスコットキャラクターの看板が出迎える
最後に横浜店の10年間を振り返っての思いを関谷さんに聞いた。
「横浜で10年営業できたというのはすごく嬉しい。横浜で『油そば』っていったら『ぶらぶら』と言われるようになりたい。横浜の油そばを全国に持っていきたい」
「横浜の人たちに育ててもらった『ぶらぶら』を全国に発信していく」
住所:神奈川県横浜市西区南幸2-12-11
電話:045-620-7142
営業時間:11時~翌2時(金曜・土曜は翌3時まで)
定休日:無休
席数:39席(1階10席 2階29席)
サイト:https://bura-2.com/
創業祭
2022年11月24日・25日は油そばをワンコイン(500円)で提供します(一部店舗除く)
最新情報はこちらから